
鹿児島市の静かな住宅地に佇むH邸に伺ったのは、ジャケットにコートを重ねても寒さがしみる冬の朝。しかし、家に案内されて話を伺っていたら、外の寒さをすっかり忘れてしまうほど、この家には心地よいぬくもりが満ちていた。お話を伺うと、驚いたことに、この日は暖房をつけていないということ。その自然な暖かさに驚いていると「今年の冬はまだ一度も暖房を使っていないですよ」とご主人がいたずらっぽく笑った。
2人共50歳を過ぎて、これからの人生を穏やかに過ごせる空間を新しく作りたいと願うHさんご夫婦が家作りについてまず重視したのは、暖かい家であること、そして木をふんだんに使った自然な家であるということだった。ベガハウスには「ジオパワーシステム」という地中熱を利用した換気システムがあり、木を使ったシンプル&モダンなデザインがお二人の好みにぴったりだったことが選ばれた大きなポイントになった。

「ジオパワーシステム」は、冬は暖かい地中熱が、夏は涼しい地中熱が循環し、24時間換気をする換気方式。自然のエネルギーを利用する地球に優しいシステムだ。一方、鹿児島ではまだ耳なれない方式なので、導入するときに不安はなかったのだろうか。率直に聞いてみた。「最初は、地中熱で本当に暖かくなるのだろうか?と不安に思いました。でも、実際に導入されたお宅で話を聞くと『すごくいいですよ』と満足している様子だったので安心しました」とご主人。「実際に伺ったお宅がほっこりと心地よくて、これならと確信しました」と奥様。住み始めて2度目の冬を迎えた今、暖房器具はほとんど使わない上に、暑すぎず寒すぎない一定の温度が一年中保たれるので、季節を問わず軽めの合布団一枚で過ごせるという快適さを満喫しているそう。ジオパワーシステムは、導入費用が約200万円と高額なため、誰もが一度は思案する。しかし、ほとんどの施主が住み始めてその機能を評価し、次々と人に薦めているのも面白い現象。それだけ満足度が高いと言えるだろう。Hさんご夫妻の場合は、当初は寒がりの奥様が積極的に進めた導入だったが、今ではご主人も大正解だった、と力強く語ってくれた。
設計を担当してくださった幸野成一さんは、私たちの要望を取り入れながらも、プロとしてさまざまな提案をしてくれました。2階にリビングを設けることで住宅街でも開放的に暮らせるし、ソファから青空が見えて気持ちがいいです。収納も充実していて、本当に住みやすい家になりました」と奥様はにっこり。優しい暖かさに満ち溢れたお家は、穏やかに流れる、ご夫婦のこれからの時間を表しているようだった。