今さら聞けない住宅ローン控除とすまい給付金の関係性。コロナ禍でどう変わった?

マイホームの購入をお考えの方に、ぜひチェックしていただきたいのが「住宅ローン控除」と「すまい給付金」の制度。消費増税による住宅購入の負担軽減を目的としたものですが、「このふたつはどう関係するの?」「正直、全然よくわからない!」という声をよく耳にします。

さらに、コロナ禍の影響で「住宅ローン控除」の制度自体にも変化があって……さあ、どうしたものか!そんな方こそあらためて内容を確認してみてください。お得に家づくりを進めましょう。

「住宅ローン控除」と「すまい給付金」は、なにがどう違うの?

さて、まずは「住宅ローン控除」と「すまい給付金」について、それぞれどのような制度なのか解説するところからスタートしましょう。

住宅ローン控除とは?

「住宅借入金等特別控除」、「住宅ローン減税」とも呼ばれる制度で、一定の期間に年末の時点の住宅ローン残高に応じて、一定の割合の金額が“所得税”や“住民税”から控除される税制優遇制度のこと。

ちなみに控除とは、差し引いてくれる、という意味ですね(この控除という言葉がまず難しい!)。そして、この対象になるのが2021年12月31日までに住宅ローンを組んでマイホームを購入した場合。年末のローン残高の1%(最大で40万円)が、なんと10年間、税額控除されるんです。つまり、合計で最大400万円の減税になる可能性があります。これは絶対に手続きしたいところですね。

加えて、消費税率10%が適用される住宅を購入し、2021年12月31日までに入居した場合、控除期間が3年延長されます。

「すまい給付金」とは?

2014年4月から始まった、消費税率が引き上げられたことによる、住宅取得への金額負担を緩和するために、給付金が支給される制度のこと。

こちらも2021年12月31日までに引き渡し、入居が完了した住宅を対象として実施されています。「住宅ローン控除」と「すまい給付金」には、それぞれ利用条件が設定されていて、それらをクリアすれば、

このふたつの制度は併用することも可能です。

「住宅ローン控除」と「すまい給付金」で受け取ることができる金額は?計算方法をご紹介!

「住宅ローン控除」と「すまい給付金」の制度について解説してきましたが、では実際に気になるのは受け取りが可能な金額ですね。その計算方法についてご紹介します。

住宅ローン控除の計算は?

控除額の計算は、住宅ローンの年末時の残高に「控除率1%」を乗じることで算出できます。つまり、【住宅ローン年末残高×控除率1%】という式になりますね。

例えば、年末の住宅ローン残高が3000万円の場合には、1%が控除されるので30万円までが控除可能というわけです。控除が可能な額は、ローン残高と最大控除額のいずれかの小さいほうの額が適用されるため、この場合は30万円が適用になります。(年末のローン残高が5000万円だった場合は、1%の50万円になりますが、最大控除額は40万円ですので、40万円が住宅ローン控除の可能額に)

一方、「すまい給付金」はそれほどハードルの高い給付金ではありませんが、収入によって給付基礎額が決定するのが特徴です。

例えば、扶養者がひとりと仮定した場合、下記の通りの金額に。

※扶養者がひとりの場合

なお、収入の確認方法としては市町村が発行する、課税証明書に記載される都道府県民税の所得割額で確認できます。ですので、収入と都道府県民税も関係してきますし、都道府県民税は扶養者の人数や年齢などによっても変わってきますので、書面できちんと確認しておきたいところです。

「すまい給付金」の計算方法はと言うと、【給付額=給付基礎額×持分割合】です。

持分割合とは、住宅の名義を誰がどれくらいの割合で所有しているかを示す言葉。夫婦で住宅を購入する場合は、それぞれの頭金や住宅ローンの負担額に応じて割合を決めて登記する、というのが一般的です。

そのため、夫婦でペアローンなどの住宅ローンを組んでいる場合は、夫と妻のそれぞれが給付金の申請をすることが可能なんです。どのように住宅ローンを組むか、家族で事前によく話し合っておきたいところですね。

「住宅ローン控除」と「すまい給付金」、実際いくらもらえるのかシミュレーションしてみましょう。

住宅ローン控除とすまい給付金の計算方法がわかったところで、実際にシミュレーションしてみませんか?

「住宅ローン控除」と「すまい給付金」のシミュレーションはこちら

http://sumai-kyufu.jp/simulation/

コロナ禍で「住宅ローン控除」が増額!? 特例措置とは?

新型コロナウイルス感染症の影響で、「住宅ローン控除」にも変化がありました。政府の対策で、特例措置が取られるようになったのです。

2019年に、これまで「住宅ローン控除」を受けられる期間が10年間だったのが、期限つきの特例として13年間へ延長されました。そして、その13年間の「住宅ローン控除」の適用条件が2020年12月31日までに入居する、という要件がありました。

ですが、コロナ禍で資材の調達が難しくなったり、住宅工事の遅れが発生したりすることが目立ち、2020年末までに入居するのが事実上困難になった方々が増えてしまいました。そこで、その期限が2021年12月31日までに一年延長されたというわけです。

なお、注文住宅を新築する場合、2020年9月末までに契約できれば、この特例措置の対象となります。

分譲住宅や既存の住宅を購入する場合や、増改築などを行う場合には2020年11月末までの契約が特例措置の対象に含まれます。

制度を賢く利用して、素敵なマイホームを手に入れよう!

条件を満たせば数十万円という還付金を受け取ることができる、ふたつの制度「住宅ローン控除」と「すまい給付金」。急激な生活の変化を体験し、新しい生活様式を求められ、より自分らしい暮らしや生き方について考えた人も少なくないでしょう。

そんな今だからこそ、還付金をあきらめかけていた設備購入や、庭の植栽を増やすなど、「豊かな暮らし」づくりに生かしてはいかがでしょう?

還付金をそのままローン返済に当てるのも一つの手ですが、そのほうがより満足度の高い家づくりができるかもしれませんね。

※本記事は2020.7.12時点の内容です。社会情勢により制度が変更になることもあります。
※ここでは分かりやすい例でご説明しています。実際には細かい条件もありますので、詳細は国土交通省や、検討中の工務店にご確認ください。

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