L字型の平屋住宅のメリット・デメリット! どんな間取り? 活用法も知りたい!

コンパクトで快適な暮らしを叶える住空間かつ、プライベートガーデンがあって自然と一体感があるなど、平屋住宅のなかでもいま注目されているのが「L字型の平屋」。

平屋の基本形には「L字型」以外にも、「I字型・コの字型・ロの字型・連棟型」などがありますが、今回は「L字型の平屋」のメリット・デメリット、間取りの有効な活用法などをご紹介します。さて、L字型の平屋に向いている人はどのような人でしょうか。

L字型の平屋ってどんなお家?

L字型の平屋とは、お庭をアルファベットの「L字型」の建物で囲んだ形の平屋のお家のこと。

L字型の住宅は、その形だけで外観から一般的な住宅とはちょっと違った雰囲気になったり、一部の壁を大きな窓にするとたちまち開放感が出たり、見た目の印象を大胆に演出できます。それから周辺環境にもよりますが、

周りの目がダイレクトに届かないプライベート感のある中庭をつくることも可能です。

とくに、近年コンパクトで暮らしやすいお家を求める方々に人気の平屋なら、キッチンとダイニング、お庭につながりや広がりが感じられる空間や、ウッドデッキなどで半屋外空間をつくりやすいのもポイント! ワンフロアだからこそ家族同士のコミュニケーションが図りやすく、一体感のある家づくりを実現できます。

L字型の平屋の形が分かる動画はこちら

「普通とはちょっと違ったお家がいい」と考えている人なら外観のデザインにこだわるのも◎。アイデア次第で、斬新な建築になるのがL字型の平屋の魅力と言えますね。

続いて、L字型住宅のメリットについてご紹介しましょう。

L字型住宅のメリットとは?

・変形地でも柔軟に対応できる

L字型住宅の最大のメリットは、変形地にも対応しやすい点です。変形地とは、例えば三角形だったり、道路に接している出入り口の部分が細長くて、その奥にまとまった敷地がある形状の旗竿地(はたざおち)だったり…。こういった土地に正方形や長方形の建物を建てようとすると、土地を有効に活用するのが難しいのですが、L字型住宅なら頂角に向かって長辺を伸ばすことで、土地を最大限に活用できる可能性が高まります。

・プライベート空間を取りやすい

一般的な平屋の場合、プライベートな空間を分けにくいとされていますが、L字型住宅にするとLの字の縦と横のエリア別に空間をわけられるのもポイント!縦のエリアに寝室や書斎などのプライベートな空間、横のエリアにリビングやダイニング、キッチンなどの人が集まるスーペスと、ゾーン分けしやすいのがL字型住宅の特長と言えます。

こういった特長からお家にゲスト訪れることが多い人ほど、L字型住宅がおすすめ。急な来客の際にも、掃除や片付けが効率的にできます! 友人や親戚を招いてホームパーティを楽しみたいなら、L字型のお家はメリットがいっぱいです。

また、後述の「上手な間取りの活用法」でも触れますが、

L字型住宅なら“お家自体を目隠し”に利用して、プライベートガーデンを設けることができます。

つまり、敷地に接する道路沿いにお庭を持ってくるのではなく、道路からは家の外観が見えるようにして、お家の“内側”に中庭をつくる、ということ。

ただし、建ぺい率(敷地面積に対する建築面積の割合)などの理由で、L字型の住宅を建てることが難しい場合もあるので要注意!

L字型住宅のデメリットとは?

・間取りの自由度が低い

L字型住宅のデメリットは、部屋の間取りの自由度が低いところ。通常、部屋の間取りを決めるときには、それぞれの家族構成やライフスタイルに合わせて部屋数や、部屋の広さを決定します。しかしながら、L字型住宅の間取りは“廊下などの動線”を確保すると部屋の大きさ、配置などがかなり限定されてしまいます。

とはいえ、

最近はなるべく廊下をつくらず、スペースを有効活用した間取りがトレンド。

実際、廊下以外の方法で空間を仕切る、家族の居場所を確保する設計上の工夫はたくさんあります。ここは、あなたが依頼する設計者の腕次第、というところでしょうか。

「自由度が低い=デメリット」と考えるか否かはその人次第かもしれませんね。

・メンテナンスコストが高くなる!?

それよりもチェックしておきたいのは、完成後のメンテナンスコストが高くなる可能性がある点。一般的に複雑な形の建築ほど、メンテナンスコストは上がります。とくに角にあたる入隅の部分は弱くなりがちなので、補強をすることで強度を補う必要も。

また、L字型住宅は四角いシンプルなお家に比べると凹凸が多く、建築コストも高くなる傾向があります。さらに、凹凸の多いL字型住宅は、大きな地震が発生した際に一カ所にエネルギーが集中してしまうリスクも。設計時に耐震性に関して特別な配慮が必要になります。

地震の多い日本では、大きな地震が発生するたびに耐震基準が見直され、現在の建物は1981年以降に採用された新耐震基準に合わせられています。この基準は震度6程度の地震にも耐えられるようになっていますが、耐震性については万全を期しておきたいですね。

L字型住宅の上手な間取りの活用法

さまざまなメリット・デメリットのあるL字型住宅。では、代表的な間取りの活用法とはどのようなものでしょうか。

・開放感のある中庭を手に入れよう

もっとも一般的なのが、中庭をつくること。「中庭のあるお家がいい!」という思いからL字型住宅を選ぶ方もいるほどです。L字型の平屋では、コの字型の平屋よりも広い中庭を設けることが可能。敷地内においての建物の場所や、周辺の環境にもよりますが、ほどよく外からの視線を遮りながら、開放感のある広々とした中庭が叶えられます。

また、中庭があると室内と屋外、それぞれの空間の距離が近くなるので、屋外の空間が暮らしになじみやすいのも魅力。

子どもがいる家族だったら、中庭を遊び場にしても室内からも目が届きやすくて安心です。

それからテーブルやイスを用意して、休日にブランチをしたり、バーベキューをしたりするのも楽しみ方のひとつ。

プライベートガーデンをセカンドリビングとして上手に活用する

ことで、室内の間取りの自由度が低くて部屋数を増やせないというデメリットも克服できます。

視点をガラリと変えれば、中庭をつくることで自然と一体化した一家の団らんの場をキープしつつ、そのかわりにリビングをややコンパクトにして、必要に応じて部屋数を増やすこともできますね。

・ビルドインガレージで駐車スペースを確保

中庭のほかにも活用法としてイチオシなのが、

スキップフロアを組み合わせてビルドインガレージををつくること。

限られた土地にお家を建てるため、駐車場がつくれない場合もあります。

そういうときは、L字型住宅の内側部分を駐車スペースとして有効に活用することも可能です。車庫をつくることで土地を最大限に活用し、さらに車庫上にスキップフロアで居住空間を確保することもできます。スキップフロアなら、プライベート空間を確保しにくいという平屋のデメリットもカバーできますね。

まとめ・L字型の平屋に向いている人とは?

最後に、どのような人がL字型の平屋での暮らしに向いているか考えてみました。

お家の中央に中庭をつくることができるL字型住宅は、風通しがよく、室内に明るい光をたっぷりと取り込んだ気持ちのいい空間になります。プライベートガーデンによって、2階建て住宅よりさらに自然が身近に感じられるのもL字型の平屋ならではの特長です。

ガーデニングをしたり、屋外の空間を自由に楽しんだりしたい人にこそ、L字型住宅の平屋がおすすめ!

平屋の場合は、水平移動の空間だからこそ生活動線がコンパクトになったり、ワンフロアだからこそ家族間のコミュニケーションが濃密になったり、快適性と幸せな暮らしが同時に叶えられるお家と言えるでしょう。効率的なミニマムな暮らしと、家族同士の関わりが深い暮らし。一見相反するようなふたつの暮らしを求める、ちょっと欲張りな人にこそ、平屋のL字型住宅が向いているかもしれません。

いかがでしたか?今回ご紹介した内容が、あなたにぴったりなL字型の平屋づくりの参考になれば幸いです。

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