村澤一晃氏ワークショップ「リ・デザインとは?」

○この記事を要約すると…
・2019年3月11日〜12日に、村澤一晃氏による社内ワークショップがありました。
・WSのテーマは「リ・デザイン」。
・リ・デザインのステップは3つ。“引用する”、“応用する”、“展開する”
・リ・デザインの考え方は、デザインの現場以外にも応用できる。

こんにちは、塚本です。

先日、私がとても楽しみにしていた
社内ワークショップがありました。

家具デザイナー村澤一晃さんによる
「ベガ工房」です。

2日間に渡るワークショップは
1日目、座学
2日目、チーム制の実践的ワークショップ
に分かれております。

今回は
1日目の座学の内容を
ほんの少しですが
お伝えしたいと思います。

座学のテーマは
「リ・デザイン」。

・・・はて?
り、でざいん?

困ったときのグーグル先生によれば
【完成されたデザインを、
さらに最適化すること】

・・・はて?

「まだ明確な定義付けは
されていない言葉だから
難しく考えなくていいですよ」

と村澤さん。
では村澤さんの思う「リ・デザイン」とは?

これには3つの段階があるとのこと。
1つめは、「引用する」。

世の中にすでにあるものを
別の形に再構築する。

例にあがったのが
1990年台に活躍したデザイナー
カスティリオーニの椅子でした。

とってもユニークなカタチでしょう?
この椅子の座面
実はトラクターの座面なんです。

カスティリオーニ曰く
工業製品として完成されているものは
手を加える必要がない。

トラクターの座面という
完成されたデザインを
いかに椅子というプロダクトに
落とし込むか?

そこに
引用のリ・デザインの
面白さがあるんですね。

2つめは「応用する」。

事例に合わせて
変化させる。

その時代のイノベーション
つまり新しい発見を
どのように活かして製品にするか。

ここでの例は
ブロイヤーのワシリーチェアです。

鉄パイプを曲げて椅子にする。
今でこそ学校の椅子やパイプ椅子などで
見慣れたものですが

ブロイヤーがこの椅子を発表した
1920年代においては
革新的なデザインでした。

なんとこの椅子の着想は
自転車のフレームだったんだそう!
鉄パイプで自転車のフレームを作る技術を
応用して、椅子を作っちゃったんですね。

すごい・・・。

3つめは「展開する」。

同じテーマを繰り返し
比較検証することで
発展させていくこと。

代表例は
ウェグナーのYチェアです。

中国明朝時代の高貴な椅子に
感銘を受けたウェグナーは
そこに曲げ木の技術という
イノベーションを応用し

1940年代にYチェアの原型となる
チャイニーズチェアの1作目を
発表しました。

その後
ベースや座面、背板や
支柱の形状などに改良を加え
最終的にYチェアにたどり着いたのです。

このとき大切なのは
ひとつひとつ
ステップアップするための
目的意識を明確に持つこと。

小さな問題点を
確実にクリアすることで
実際に家具を製作する
工場のレベルも上がり

明朝の椅子とは
“似て非なる”Yチェアが
完成したんですね。

このお話、
なにもデザインに限った
話じゃないですね。

過去に数多ある成功例や
アイデアを、自分の取り組みに
引用したら?応用したら?
そして、トライアンドエラーを
繰り返して展開し、
最終的に目指す完成形とは?

今回も
大変勉強になるワークショップでした。
次回は5月。
今から楽しみです。

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