ベガ工房 - 鹿児島の家づくり・注文住宅ならベガハウス

ベガ工房

住まい手と、住まいに合わせたデザインと機能性

建具・家具から、取手やスイッチなどの小さな部品まで、ベガハウスは手がけています。家具や建具は、その名のとおり住まいの大事な具材。既製品で気に入ったものがなければ、住まい手と住まいに最適なデザインを考え、ひとつずつ丁寧につくることが家づくりのあり方だと考えます。

T様邸の「ラウンドソファ&テーブル」

創作の過程を、一部、ご紹介いたします。

【2015年4月】

T様ご夫妻がリビングでいちばんこだわっていたのは円形ソファ。現在のお住まいのお気に入りの場所であり、住まいの中心。ベガハウスで建てる新しい住まいでも、ラウンドソファ&テーブルをリビングの中心に設けたいとのこと。さらに、高齢のお父様のへの配慮もプラスします。

現在お使いのソファは市販のもので、T様ご夫妻はお気に入りですが、お父さんの足腰だど長くは座っていられず、いつもすぐに帰ってまうのだとか。そこで、お父様にも気に入ってもらえるよう、掘りごたつタイプで製作することにしました。

ソファのご要望について、T様には事前に細かにヒアリングを行っていました。そこから家具デザイナーの村澤一晃さんがデザインを起こし、今回はラウンドソファの1/8ピースを試作。使い勝手を検証するためT様に来ていただき、試作検証ワークショップを行いました。

まずは座り心地をチェック。座の硬さ、背の硬さ、ファブリックの触りごこち、座と背の角度など。ちゃんと座ってみたり、胡座を組んだり、のけぞったり、くつろぎの姿勢のいろいろなパターンで座り心地を確かめます。

つづいて、ソファとテーブルの関係を確かめます。食事のときとくつろぐときの両方を想定して、ソファの座面高、座部の奥行きサイズ、テーブルの高さ、ソファとテーブルの距離を検討。より実感を伴って検証できるよう、テーブルの上には器や焼酎の瓶をしつらえて気分を盛り上げます。

また、背の後方から背をまたいで腰かけるときの使いやすさや、円を構成する分割数の検討など、T様ご夫妻、村澤さん、ベガハウスの面々で、じっくり時間をかけてソファのデザインと使い勝手を検証しました。

お客さまの思いをオリジナルデザインに込めて、このあとは技術的な検証を行ない、実製作に取りかかります。T邸リビングの真ん中に設置される、オリジナルラウンドソファの完成が楽しみです。

【2015年7月】

内装工事が着々と進むT様邸の現場で、ラウンドソファ&テーブルのワークショップを行いました。

すでに床工事を終えたフローリングは養生され、ソファを設置する円形スペースがぽっかり掘り下げられています。中央には基礎に据え付けられたスチール製のテーブル脚。そこにウォールナットの天板を仮置きして、1/8ピースの試作ソファを設置します。

家具デザイナーの村澤一晃さん、製作を担当する園田椅子製作所の園田勝志さん、股旅社中(※)のメンバー皆さんと共に、ベガハウス全員でオリジナルデザインのソファとテーブルを検証。引き渡し前のチェックは本日が最終となるため、現場はぴりっとした緊張感に包まれます。

※股旅社中は、弊社が主導する家具デザイナー・工務店・メーカー共同のプロジェクト。「手ざわりのいい家」、「住めば住むほど心地良くなる家」、「隅々までていねいにデザインする家」をテーマに、オリジナル家具の製作に取り組んでいます。

ソファ、テーブル、ペンダント照明の仮設置がおおむねでき上がったところで、嬉しい予定外の出来事。仕事の途中でたまたま近くを通りかかった施主のT様が奥さまといっしょに現場に来てくださいました。絶好のチャンスとばかり、ちょっとお時間をいただきワークショップに参加していただきました。ご本人による現場チェック、これ以上の検証方法はありません。

ソファ座面の高さと傾斜、背もたれの高さと角度、テーブルの高さと天板下のゆとり、ソファとテーブルの距離、ペンダントの高さ・・・。半年間にわたって積み重ねてきたデザイン、設計の微調整を行い、T様の居心地の良さを生み出す最適設計の最終確認ができました。

T様が帰られた後は、設置・施工状況をシミューレーションしながら、最終仕様の調整を行います。このあとは本番。T様、オリジナルデザインのソファとテーブル、完成を楽しみにしてください。

【2016年4月】

完成しました。リビングの中心にオリジナルデザインのラウンドソファと円卓を据えたT様邸。お引き渡しの直後、T様のご厚意で完成検証ワークショップをさせてもらいました。

奥さまに迎えていただき、玄関からリビングに到達するまでの時間と空間をじっくりと楽しんでから、2年越しで取り組んできたソファとテーブルに対面。家具デザイナーの村澤一晃さん、満面の笑み。

オリジナルで製作したスタンドにはアッキーレ・カスティリオーニの照明器具「フリスビー」を取り付けています。このスタンドと照明の相性も上々です。T邸を取材したインテリア雑誌の編集者の方も、「この照明をこんなふうに使うのは初めて見た」と感心されていたそうです。

丹念につくりあげたソファの座り心地を確かめます。座面の高さ、足のつき具合、テーブルの高さと距離の関係、そしてT様がこだわった胡座を組んでの座り心地。会心の出来上がりです。T様に招かれたお客さまは、くつろいでくるとフローリングに座ってソファの背に寄りかかったりと、それぞれ思いのままにくつろがれていたそうです。T様もご満足で、お父さまにも好評だったそうです。

水盤と豊かな緑が美しい中庭を眺め、視線を上げれば吹き抜けの大らかな空間がひろがる。ここは、T様がご自身をもてなす場であり、家族をもてなす場であり、お客さまををもてなす、まさにT邸の中心です。

ソファとテーブル、照明、そして住まい全体を拝見してからいったん引き上げて、夕方にふたたびT様邸を訪ねました。夜になって照明を灯した空間を確かめさせていただくためです。夜は夜で、見事に光の演出がなされていました。

このときは帰宅されたT様もいらして、ソファに座って歓談のひと時を一緒に過ごすことができました。

完成してから始まる家づくり。ラウンドソファともども、末長いおつき合いをよろしくお願いします。

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