仄々　honohono

北の高窓から差す淡いひかり
中庭に落ちてくる木漏れ日
リビングに揺らめく夕陽

この家を包む光は、輪郭が曖昧である

北向きの大きな十字窓
安定した光を家の中に届け
光は柔らかく空間を包み込む

庭と玄関との空間も曖昧にすることで
気持ちも自然と外に向かい開放感を感じる

喜びの中に一抹の不安がよぎったり
悲しみの底で愛する人を思ったり

人の生活こそ、曖昧であるように

光と、そこに寄せられる感情の
一片一片が呼応して

今日という暮らしが愛おしく美しい

ほのあかるく、ほのくらい
今日がなにより美しい